窓を開けると、どこからともなく
きんもくせいの甘い香りが漂って、
この香りにまつわる
たくさんの思い出が胸にあふれてきます。
小学生の頃、大きなきんもくせいの木がある場所で
お友達と一緒に
小瓶いっぱいに花を摘み
お水を少しいれて、香水ができたね、と
宝物のようにお家に持ち帰りました。
それからというもの、
毎年この季節
きんもくせいの良い香りにつつまれると
あの幼かった日々に感じていた甘酸っぱいような
懐かしい感覚がよみがえります。
月日はたち
大人になり、
結婚。
出産。
まだ大阪に住んでいて会社務めの頃
娘が1歳で、お世話になっていたのが
きんもくせいという名の保育園でした。
重いつわりと切迫早産で
妊娠中の半分を自宅安静で過ごした私は
産後なかなか体力が回復せず、
ようやく会社復帰をしたものの
この頃の娘は、毎月のように高熱を出し
京都に暮らす母によく助けを求めました。
しかし、毎回来てもらうことも難しく
看病のため会社を休む日も多くなり
同僚にも迷惑をかけて。
子育てと会社の両立に悩む忙しい毎日でした。
そんな日々を支えていただいたのが
きんもくせい保育園です。
暖かくて楽しい先生ばかりで、
まだオムツも外れていない小さな娘を安心して預けることができました。
結局、色々な無理が重なり退社することになって
1年だけしか通えなかったのですが、
今は7歳になった娘が、なんとまだこの保育園での日々を
覚えているのです…!
先生、お元気でしょうか?
懐かしくなって、調べてみると
以前は小さかった園舎が移転して、大きく立派な保育園に生まれ変わっていました。
ホームページには、懐かしい先生方のお顔が並んでいて
とっても嬉しくなりました。
いつか、娘を連れて、新しい園舎におじゃましたいなと
きんもくせいの香りにつつまれながら
思いをはせるのでした。